2018年4月16日News

「150万の壁」になるって本当? アルバイトで扶養から外れる年収

「150万の壁」になるって本当? アルバイトで扶養から外れる年収

学生アルバイトでも、毎月ある程度の金額を稼いでいる人の中には、扶養控除の「103万の壁」を意識しているという方がいるかもしれません。そんな人にとって気になるのが、税制改正によって103万の壁が「150万の壁」になるというニュース。これは学生アルバイトにも関係のあることなのでしょうか? 概要を理解しておきましょう。

そもそも「103万の壁」とは

アルバイトやパートで働いている人の年収は、103万円以内であれば所得税が課せられることがありません。年収103万円を超えると、超過する所得に対して税金が課せられる上に、親や夫などの扶養を外れることになるため、親や夫などの所得税も高くなるのです。
年収103万円というラインを境に税制面での差が大きくなるため、これを超えて稼ぐことができない状況が「103万の壁」と呼ばれるものです。

2018年から「103万の壁」が「150万の壁」になる?

「103万の壁」を意識して働いていた人なら、2018年から「103万の壁」が「150万の壁」になるというニュースを耳にして気になっているかもしれません。
しかしこれは、扶養家族とは言っても「配偶者」に対して受けられる「配偶者控除」の話です。今回の税制改正の狙いは、女性の社会進出の促進。2017年までは扶養家族の妻の給与所得が年収103万円以下であれば配偶者控除を受けられたのですが、この上限が2018年から150万円に引き上げられました。「103万の壁」という言葉を意識して働いているのは、やはりパートで働く主婦の方が多いため、「103万の壁が150万の壁になる」と言われるわけです。

親の扶養家族としてアルバイトをしている学生の場合、扶養から外れる「103万の壁」は2018年以降も変わりません。

年収130万円まで非課税になる「勤労学生控除」とは

先述のとおり、アルバイトの年収が103万円を上回る場合、親の扶養家族から外れることになります。それでも103万円を上回ってアルバイトでお金を稼ぐ必要のある学生の場合は、「勤労学生控除」を受けることで年収130万円までは所得税がかからなくなります。
勤労学生とは、その年の12月31日の時点で、以下の3つの要件すべてに当てはまる人のことを言います。

(1)給与所得などの勤労による所得があること
(2)合計所得金額が65万円以下で、しかも勤労によらない所得が10万円以下であること
(3)特定の学校の学生や生徒であること
※特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
・学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
・国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校等のうち一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの
・職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの

条件を満たす学生アルバイトの方が手続きを行うことで、勤労学生控除を受けることができます。ただし、年収103万円を超えて親の扶養から外れることで、親の所得税額は当然増えることになります。結果的に世帯全体として損になるケースも考えられるため、勤労学生控除を受けるかどうかは家族と話し合って慎重に検討することをおすすめします。

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